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衆議院議員ひだか剛 本会議・委員会質疑の原稿原文
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2002年 本会議質疑
No. 日時 会議名 質疑時間
質疑内容
1 11月月7日 衆議院本会議 30分
政府の総合デフレ対策、預金保険法等
預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正案
金融機関組織再編特別措置法案 及び
農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部改正案 代表質問
自由党 樋 高  剛
 私は自由党を代表し、ただいま議題となりました法案を含め、小泉総理並びに竹中金融・経済財政担当大臣に質問いたします。

(経済認識と総合対応策の位置付け)
 まず、先に発表された「改革加速のための総合対応策」と「不良債権処理加速のための金融再生プログラム」についてお聞きいたします。
 「経済は生き物だから」「大胆かつ柔軟に」と総理は言いますが、要は、小泉総理ご自身が日本の経済・社会のあるべき姿、ビジョンを持っていないために言葉だけを並べ、経済政策の支離滅裂ぶりをごまかしているだけではありませんか。
 小泉総理就任から一年半が経ち、国民の誰も実感しない景気底入れを政府が宣言してから半年が経ちます。一方で、株価は続落、東証一部上場の株式の時価総額は、百三十兆円以上が消えてしまっています。市場は、すでに、小泉総理の経済政策が失敗であるという評価を突きつけているのであります。
 総理は、現在の経済情勢の現状をどのように認識しておられるのでしょうか。景気底入れ宣言をしている政府ですが、国民の皆さんからは先行き不安の悲鳴が、私たちには聞こえるばかりです。それでも、景気は悪くない、良い方向に向かっているとお考えですか。
 実際、この対策が発表されても株価は全く反応することはありませんでした。このプランでは景気の浮揚は見込まれないばかりか、経済失政の上塗りで、市場の動向も思考停止に陥らせているのです。
 それは、この対策の中身を見れば明らかです。現状施策の追認でしかなく、税制改革は具体性もなく相変わらず先送りの状態です。雇用対策も目新しいものはなく、雇用保険制度の見直しという規定も、その実は、雇用保険料の引き上げを暗示するだけです。
 この「総合対応策」「金融再生プログラム」は、今の経済状況をどのように立て直すのでしょうか。これによって、景気の下支えに即効的な効果を与えられると本気でお考えなのでしょうか。
経済認識と総合対応策の位置付けについて、小泉総理にお聞きいたします。

(不良債権処理加速策について)
 総合対応策の一環として不良債権処理加速策の「金融再生プログラム」だけは事細かに書かれておりますが、これもまた、不良債権処理の筋道から言えば支離滅裂であります。
不良債権の処理が必要であることは言うまでもありません。しかし、さらに前提として必要不可欠なことは、経済活動の担い手である健全な企業が、有効な資金を使える環境を整え、実体経済を浮揚させることです。
 小泉総理は当初、既存の不良債権は二年、新しい不良債権は三年で最終処理すると明言しておりました。しかし現状を見れば、金融機関が九兆円の不良債権の処理をしても、新たに不良債権が九兆円増加しており、不良債権処理のアクセルは踏みっぱなしにして、経済政策は思いっきりブレーキをかけ続けるだけであります。総理はその両足踏みっぱなしの全く動かない車の中でハンドルをくるくる回して遊ぶだけであり、日本経済・社会というエンジンと、日本というクルマはただ壊れていくばかりなのです。
例えば政府は、不良債権処理を「最終処理、オフバランス化、正常化」と、処理の定義の良く分からない言葉にすりかえて、さも進んでいるように言っていますが、実際には、不良債権の処理も進まず、実体経済自体も弱体化しています。いくら金融機関が処理を進めても不良債権処理問題が改善しないのは、政府の経済運営が失敗している結果なのであり、それを金融問題に転嫁しているのが小泉内閣の実態です。
 今回の「金融再生プログラム」では、「平成十六年度の主要銀行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させる」と掲げていますが、就任当初から主張していた「最終処理」とか「正常化」とは、元々このことを指していたのですか。二年で既存の不良債権は処理しきれたのですか。あと一年で、新規発生した不良債権は処理するのですか。十六年度の不良債権比率を現行の半分程度にするというのは、具体的にはいくらにするのですか。「終結をさせる」というのならば、何をもって終結宣言できるとお考えなのでしょうか。不良債権の処理の時期と表現が時と共に変わるので、この際、小泉総理に総括してお答えいただき、竹中金融担当大臣には、具体的に数値を明示していただきたいのであります。

(公的資金投入に対する問題点)
 また、不良債権問題を抱える金融機関の自己資本の充実についてお聞きいたします。
 これまで小泉総理は、公的資金の注入は必要ないと言っていましたが、今回の「金融再生プログラム」で、不良債権問題の解決に対して政府が積極的に関与する立場で、公的資金投入も辞さないと、明確な政策転換をなされました。この転換理由について、小泉総理に理由をお聞きします。
 政府、日銀が一丸となって金融問題に対処することは言うまでもありませんが、このプログラムでは具体的な法的枠組みが明確ではありません。例えば「特別支援」の枠組みとして、日銀特融による流動性対策、現行預金保険法による公的資金投入、検査官の常時派遣という三項目を示しています。日銀特融は流動性の一時的不足に対処するものですが、それで「特別支援金融機関」として指定され、常に役所派遣の検査官が銀行経営会議で陪席し口出しできるようになるのですか。また、現行預金保険法による公的資金の投入と言いながら、一方では新たな公的資金制度の創設を行うと言い切っていますが、危機対応以外の新しい公的資金投入の原則とは具体的にどのようなものなのか、竹中金融担当大臣、整理して明確にお答えください。

(ペイオフ延期の説明責任と小泉総理・竹中大臣の経済金融運営責任)
 ただいま議題となっている法案の審議に当たって、政府がまず明確にしなければならないことは、ペイオフを延期することに対する、国民への説明責任であります。
 小泉総理は、就任当初から、「ペイオフ解禁は予定通り」と言い続け、今年七月、総理が当時の柳澤金融担当大臣に決済性預金保護の検討を指示したときでさえ「ペイオフ実施は来年四月予定通り。その間に無用の混乱を起こさせない」と記者会見で述べられておりました。  一方、竹中金融担当大臣は、経済財政担当大臣として就任した当初、「ペイオフ解禁の延期等に象徴されるような、政府が一旦約束したことを延期することは、政府の信用を損ねるという意味で大変残念なことである。そういうことが絶対起こらないような経済運営をぜひしていかなければならない」と、当たり前とばかりに答弁していたのです。  しかし、小泉総理の方針は言葉とは裏腹に、決済性預金の保護の指示に始まり、結局二年のペイオフ延期を決定し、総理の発言も金融政策も、一貫性の体を全くなしていません。それにもかかわらず、政策転換に対する説明責任は全く果たされておりません。むしろ「政策転換」ではなく「政策強化だ」と、言葉のすり替えと言葉遊びに終始しているのみであります。  小泉総理は、ペイオフ延期という明らかな政策転換について、なぜそうなったのか、今後どのように対応していくつもりでいるのかを、国民に明確に説明する義務があります。
 また、竹中大臣は、かつて言っていた「ペイオフ延期などに象徴される政府の信用を損ねることが起こらないような経済運営」を行っていたはずなのではありませんか。それがなぜ、自ら金融担当大臣として、ペイオフ延期を決めたのでしょうか。経済財政担当大臣としてのこれまでの経済運営は、明らかに失敗だったと自ら認めることに他なりません。この一年半の経済運営をどう総括するのか、竹中経済財政担当大臣と、最高責任者である小泉総理大臣にお伺いいたします。

(決済用預金と普通預金の位置付け)
 次に、預金保険法における決済性預金の位置付けについてお聞きします。
 そもそもこの枠組みは、ペイオフ実施を前提に、総理が決済性預金の保護を指示した結果として、ゼロ金利の普通預金をつくり、これを恒久的に全額保護をするというものであります。この制度発足も、ペイオフの完全実施に合せた来年四月からです。
 しかし、ペイオフを延期することを宣言した今では、この法案そのものの存在意義が分からなくなってしまっているのです。それでも、この法案を出し続けるというのは、ゼロ金利普通預金を作ることを決めてしまったのは変えられないという、金融庁のメンツを守るだけでしかありません。
 平成一七年三月までペイオフ延期をするのに、利息の「ある」「なし」並存のこの制度に、どのような意義があるのでしょうか。また中長期的に見て実際の運用において、総理や竹中大臣が言うような「無用の混乱」を引き起こす火種になりはしませんか。竹中大臣にお聞きいたします。

(金融機関合併促進について)
 次に、金融機関組織再編成特別措置法に関連してお聞きいたします。
 地方銀行や信用金庫、信用組合など地域金融機関の合併を促すこの法案は、優良な銀行が他の銀行を救済合併する時の自己資本比率の低下などに対して、優先株や優先出資証券などで公的資金を投入し、自己資本の増強を図ることが柱となっています。
 しかし、地域金融機関の合併だけで、経営基盤が強化され、問題が全て解決するかといえば、必ずしもそうではありません。
 経営基盤の強化に向けて、金融機関自身が努力することが前提となるべきであります。例えば、IT化を通じて効率化を行うことが考えられます。安易に合併に走る前に行うべき経営努力があるのではないですか。地域金融機関としての機能について、竹中大臣にお聞きいたします。

(結語)
 小泉総理は、見た目は異質に見えても、中身は生粋の自民党的体質です。何の基本方針もなく、場当たり的、なし崩し的、そして無責任で弁明なし。
 今の金融に対する国民や市場の不安は、小泉総理の経済無策が原因であり、言葉だけが踊る小泉総理に対する政治姿勢の不信の現れなのです。小泉総理がどういう日本の経済・社会の姿を描いているのか。もし、その方針があるとして、経済運営で間違いがあったというのであれば、国民に明確に弁明し、政策転換すべきであります。この点について、総理のご所見をお伺いし、私の質問を終わります。